No.173  コウボウムギ (H19.4.25)


撮影 H19.4.22 三浦市

(カヤツリグサ科スゲ属)


 日本全国に分布し、海岸の砂浜に生える多年草です。よく発達した砂浜を好む代表的な海浜植物です。近年の海岸線の改修や造成によって砂浜が減少し、コウボウムギなどの海浜植物も減少の一途をたどっています。残念なことです。
 県内では湘南と三浦半島の海岸で自生しますが、三浦半島では数か所になってしまいました。
 コウボウムギは砂中に長く、広く地下茎を伸ばし、節から新しい株を次々に砂上に出します。外見は粗く見える群落ですが、網のような地下茎がしっかりと砂を押さえているようです。
 雌雄異株で、雄株の群落では雄花の花茎ばかりが見られます。花期は4〜6月で、高さ20aほどの花茎を直立し、一つの穂をつけます。写真の茶色の穂が雄花で全体から花粉を出します。緑色の穂が雌花です。
 和名は、根もとの古い葉鞘の繊維が筆に似る事から弘法大師の筆に見立て、雌の穂や実が麦に似ることからだといわれます。