No.168  ピラカンサ (H18.12.18)


H16.12.18 馬堀海岸緑道

(バラ科トキワサンザシ属)

 馬堀海岸の緑道で、見事に赤く熟したピラカンサがこぼれんばかりに果実をつけていて、目を楽しませてくれました。
 ピラカンサという名は、正しくはタチバナモドキ、カザンデマリ、トキワサンザシなどの仲間をまとめた属の名なのです。3種はよく似ており、どれも生け垣や庭木、鉢植えとして使われています。
 タチバナモドキは中国西南部原産で、葉は細く下面に白綿毛が密生し、鋸歯はほとんど見られません。果実は橙黄色に熟します。
 カザンデマリはヒマラヤ原産で、葉は両面とも無毛で細かい鋸歯があります。果実は赤色から赤橙色に熟します。
 トキワサンザシはヨーロッパ東南部や西アジアの原産で、葉は比較的に幅広く先は円形で、細かい鋸歯があります。果実は鮮紅色になります。
 花期はみな5〜6月で、5弁で白色の小さな花を沢山つけます。3種の間で交配が行われ、多くの園芸品種が作り出されています。どれもがよく似ており、識別が厄介です。それで、種名ではなく代表の属名で呼ばれるのでしょう。