No.165  ニガカシュウ (H18.10.16)


撮影 H18.10.10 三浦市

(ヤマノイモ科ヤマノイモ属)

 中国地方、四国、九州など、暖地の林縁に生える多年草のつる植物です。県内では相模川流域や箱根、三浦半島にわずかに自生するだけです。三浦半島では毘沙門海岸の一部で生育が見られるだけの希少種です。
 つるの様子や葉の形は一見同属のヤマノイモやオニドコロによく似ていますが、葉が大きく幅や長さは13aにもなります。また、葉柄の基部にちぢれたひれがあることなどもこの種の特徴です。
 雌雄異株で、8〜10月に葉のわきから紫色を帯びた白色の小さな花をつけた花序が垂れ下がります。しかし、三浦半島では果実は結実しないようです。それで繁殖は枝先の葉のわきにできる珠芽(しゅが、むかご)によって行われる栄養繁殖に頼っています。
 地下には多肉質で扁球形をした塊根(かいこん)があります。