No.146  サルナシ (H17.12.5)


撮影 H17.11.28 葉山

サルナシ (マタタビ科マタタビ属)

 北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林縁などに生えるつる性の落葉樹です。県内では丹沢や箱根に多く、三浦半島では北部にだけ少数の個体が点在しています。
 つるは他の木に巻きついてよじ登っていきます。生長が速く、幹の太いものは直径10aを越し、長さは20〜30bに達するといわれます。丈夫で腐りにくいので、縄の代わりとして使用され、四国祖谷渓の「かずら橋」をつくる材料にもなっているそうです。
 葉は厚く硬く、縁には刺状の細かい鋸歯が並びます。葉柄が赤いのも特徴の一つです。
 雌雄異株ですが、稀に両性花を付けるものもあります。花期は5〜7月で、葉のつけねに直径1.5aほどの白い5弁の花を開きます。雄花や両性花は集散花序につき、雌花は1,2個ずつつきます。雄しべの葯(やく)が紫色をした美しい花です。
 果実はほぼ円形で、長さは2a程度です。初冬に熟します。葉山の尾根道で出会った果実を口に含むとよい香がして、甘酸っぱく美味でした。中国原産で、ニュージーランドで改良されたキウイフルーツと同じ仲間です。
 和名は、果実の形が梨に似ており、猿が好んで食べることによるといわれます。