木工用具の一種。大工たちが墨壺を使っていたことは、極めて古い時代からの技術であって、万葉集にも“墨壺”の語が見える。大工や石工などが、直線を引くのに用いる道具で、一方に墨肉を入れ他方に糸(墨糸)を巻きつけた車をつけ、糸は墨池の中を通し、端に仮子(かりこ)という小錘(こりき)をつける。墨糸を加工材に真っ直ぐに張って垂直に軽く弾くと、墨線が材面に印される。古い時代から貴重な道具として大切に扱われている。
原寸: 墨池直径8p,車直径9p,全長21.5p