インドの托鉢僧が、持って歩く容器の呼び名が一般化して、鉢といわれるようになった。上面が広くあいている食器のうち、浅いものを“皿”、深いものを“鉢”、その中間を“皿鉢(さはち)”という。材質によって、木鉢・石鉢・陶鉢等の区別があるが、まれに金属製や錫製がある。この写真の皿鉢は錫製で、文政(1812〜1829)頃に使用されたものと思われる。一般庶民には手が届かない高価な品物ではなかったかと推察される。
原寸: 直径25p