No.171  ウグイスカグラ (H19.3.5)


撮影 H17.3.5 鷹取山

(スイカズラ科スイカズラ属)

 鷹取山の尾根道では、落葉樹はまだ冬枯れのままでした。その下で、数株のウグイスカグラだけが、緑の小さな若芽をつけ、可憐(かれん)な花を開き始めていました。危うく見落としてしまいそうなほど小さな、春を報せる便りでした。
 ウグイスカグラはほぼ全国に分布し、太平洋側に多い落葉低木です。県内でも山地を除いて広く分布しますが、三浦半島南部ではほとんど見られません。
 幹は2〜3bで、太くはならず、よく枝分かれして茂みをつくります。
 花期は3〜4月。枝先や節ごとに葉芽が出るのと同時に、その葉のつけねから1〜2個つぼみを出します。葉芽の伸びるのと共に、淡紅色で筒の長いロート状をした花を開きます。花冠の長さは1〜1.5aで、先端は5裂します。
 初夏になると透明感のある鮮紅色をした楕円形の液果が熟します。ほんのりと甘く、食べられます。
 和名は、ウグイスが枝から枝を飛び渡って好物の果実を食べる様が、神楽を舞っているようなので、鴬神楽になったという説のほか、諸説があります。