No.155  キンラン (H18.5.8)


撮影 H18.5.1 観音崎公園

キンラン (ラン科キンラン属))

 本州、四国、九州と広く分布し、半日陰の樹林下や林縁に自生する多年草です。県内でもほぼ全域に生育しますが、たいへん個体数は少なく、環境省では絶滅危惧U類としています。全国的に雑木林が減少していることや樹林の手入れ不足によって生育環境が変化していることによります。また、三浦半島では、採取による被害も大きいようです。
 茎は直立し、高さは30〜70aです。葉は長楕円状の披針形で、5〜8枚が互生し、基部は茎を抱いています。
 花期は4〜5月。茎頂に鮮明な黄色の花を総状に3〜10個つけます。花は平開せず、上向きに半開する花の直径は2a前後で、唇弁には赤いすじや距があります。
 和名は金蘭で、花の色によります。大型で色鮮やかな美しい花は遠目にも良く目立ちます。そのために採取されてしまうのです。昨年は、開花を撮影した翌日には姿を消していました。今年もまた、人道近くの数株が盗掘されてしまいました。栽培するのはたいへん難しいといわれます。観察するだけにしてほしいものです。
 同属にはやはり希少になったギンランやササバギンランがあります。