No.153  ツルカノコソウ (H18.4.10)


撮影 H18.4.6 森戸川

ツルカノコソウ (オミナエシ科カノコソウ属)

 森戸川の4月初旬はツルカノコソウの花で満ちています。しかし、地味な花のために、見向きもしないで通り過ぎていく人の方が多いようです。
 本州、四国、九州に分布し、谷川沿いや雑木林の林床など湿った所に生えている多年草です。県内では、ほぼ全域に生育しています。
 みずみずしい茎は中空で、直立して伸びます。高さ10aほどで花をつけ、次々と開花しながら40〜50aに伸びます。果実の熟す頃には60〜70aにもなっています。
 葉は対生し、基部まで羽状に切れ込んでいます。縁には波状の鋸歯があります。
 花期は4〜5月で、茎頂に散房状の花序をつけます。わずかに赤みを帯びた白色の花冠は5裂し、直径は2_ほどです。
 花が終わる頃になると、つる状の走出枝を地表の四方に伸ばし、その先端に新芽をつけて増殖します。
 果実には、キク科の冠毛のような刺毛ができ、風に乗って飛び散っていきます。
 同属のカノコソウに花が似て、つるを伸ばすことからこの和名がついたといわれます。