No.147  サネカズラ (H17.12.22)


撮影 H17.12.20 岩戸

サネカズラ (マツブサ科サネカズラ属)

 本州(関東地方以西)、四国、九州に分布するつる性の常緑樹です。県内では、ほぼ全域の丘陵地や山地の樹林内や林縁に生育しています。
 つるは他の木に巻きつきながらよじ登って、枝分かれしながら広がっていきます。若枝は赤紫色をしています。枝には粘液が多いので、皮をはいでつぶして水を加えると粘り気のある液体になります。昔はこれを整髪料としたのだそうです。これが別名ビナンカズラ(美男葛)の由来だといわれます。
 常緑の葉は互生し、質は厚く無毛で光沢があり、まばらに鋸歯があります。
 ふつう雌雄異株ですが、同株も見られ、稀に両性花を付けるものもあります。花期は8月頃で、新枝の基部や短枝の葉のつけねから、直径1.5aほどの一輪の花を下向きに開きます。花被片(花弁と萼片)は淡黄色で、9〜15枚あります。花の中心には、雌花は緑色で球状の子房が、雄花では赤色の球形の花托が目立つので、雌雄が区別できます。
 果実は冬に赤く熟します。ふくらんだ花托のまわりに球形の果実がついた集合果です。
 和名は、実(さね)が美しいつる植物(かずら)なので実葛(さねかずら)とか。