No.138  マヤラン (H17.7.22)


撮影 H17.7.20 吉井

マヤラン (ラン科シュンラン属)

 本州(栃木県以西)、四国、九州に分布する多年生の腐生植物です。常緑照葉樹林内の腐植質で湿った林床に生育します。県内でも全域に点在し、三浦半島ではマテバシイ林下の数ヶ所で確認されていますが、たいへん希少な植物です。
 シュンランの仲間ですが、葉のない無葉ランなので、花時以外にはなかなか見つけることが出来ません。
 花期は6〜9月で、地中の多肉質な根茎から、長さ10〜30aの花茎を地上にのばします。茎の節には小さな鱗片が見られます。その茎の上部に、2〜5個の花をつけます。径3〜4aの乳白色をした花被には紅紫色のすじや斑が鮮やかです。
 無葉ランの仲間は生育地から移植すると数年でほとんど消滅してしまいます。また、環境の変化にも敏感です。大切にして、見守っていきたいものです。
 明治の初期に神戸市の摩耶山(まやさん)で初めて発見されたので、牧野富太郎博士によってこの和名がつけられたそうです。