No.123  タコノアシ (H16.10.4)


撮影 H16.9.24 大楠

タコノアシ(ユキノシタ科タコノアシ属)

 沼や河原などの湿地に生える多年草で、本州、四国、九州に分布し、県内では平野部に点在してはいますが、減少の一途をたどる絶滅危惧の植物です。三浦半島でもため池や放置された水田などの数ヶ所に細々と生育していますが、前途に希望はもてません。
 茎は無毛で紅色を帯び、直立して高さ30〜100aになります。細長くて先の尖った葉は、長さ4〜10aで、互生します。
 8〜9月になると、花序が茎の上部で数本に枝分かれして放射状に広がり、その花軸の上側にだけ黄白色の花を並んでつけます。花のつき方や広がった花序の先が反り返った様子などが蛸(たこ)の足に似ていることから、この和名がついたといわれます。
 写真は、花後のものですが、秋になって果実が熟す頃には、全草が紅色に染まります。並んだ実がゆでだこの足の吸盤のようにも見え、うまく名付けたものだと感心します。
 このような植物が生育する自然環境が、今後も残されていってほしいと願っています。