No.117  オニシバリ (H16.6.14)


撮影 H16.6.2 鎌倉市朝比奈

オニシバリ(ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属)

 6月。やや乾燥した落葉広葉樹林下を歩くと、赤く熟したこの果実に出会うことがあります。光沢のある楕円形をした液果の長さは8_ほどですが食用にはなりません。
 東北地方南部以西、四国、九州に分布する落葉低木です。県下にも広く生育しますが、個体数は少ないようです。
 他の落葉樹と異なって、秋を待たずに、果実が熟し終わる真夏には葉はみな散ってしまいます。それで、ナツボウズ(夏坊主)という別名があります。そして、秋になると新葉を出して冬を越すのです。
 雌雄異株で、2〜3月に黄緑色をした花弁のない萼筒だけの小さい花を咲かせます。
 樹皮の繊維は柔軟で強じんなので、小枝でも手では折り取れないほどです。それで、鬼をも縛れるというのでこの和名があります。